脱・中級者のススメ

ヴァンパイアセイヴァーの新人大会優勝以上、DPG本戦未満の人に向けた攻略記事を書いてみた。

こんなことを言われて心当たりのある人はぜひ読んでみてほしい――

ヴァンパイアセイヴァーで新人大会は優勝できて、全国レベルでの大会にも何度か出て名前を覚えてもらえるようになったし、飲み仲間も増えたけど、あるレベル以上の上級者を相手にするとどうしても思うように攻撃が通らない。

ワンチャン狙いで得意の攻めをぶつけても、ちょっとした隙に差し返されたかと思いきややたらダメージのでかいコンボやら連携やらでなんでかごっそり持っていかれる。

あの攻撃さえ通ったときは勝ててるのに、勝率は低いまま。」

――どうかな?

ヴァンパイアセイヴァーのゲームシステムは、ほとんどの攻撃手段に対して防御手段が用意されている。だから、何かの攻撃が 100% 確定する状況というものが非常に少ない。特に上級者は多くの攻めパターンに対する防御方法を知っていて、なおかつ入力精度も高いため何をするにしても切り返されやすい。

それでもなお上級者に通る攻めは限られていて、だいたい以下のようなものになる(後で説明するのでサラッと流してください)。

? ガード不能攻撃またはガード不能連携(ただし、確定状況に限る)

? 完全二択

? 自動二択

? 相手の裏をかいた攻撃

? 速い展開で相手の思考が追いつかない攻撃

逆に以下のような攻撃は上級者には通用しにくい。

ガード困難だけどよく見ればガードできる連携

→ 強力な攻めのセットプレイがあるように、防御にもセットプレイがある。(例: 空中ガード後の反撃、ファジーガード、逆二択など。) 攻めのセットプレイが完全に読まれていれば、それは逆に相手にチャンスを与えている。

通れば大ダメージだ当たるといいなでジャンケンポン、で適当に出した大技(お願いプレジャー、適当に撃ったESタワーズなど)

→ 上級者は大技を食らうこと、言い換えるとリスクを回避する立ち回りを常に心がけているので、下手に大技を振り回しても安定して防がれ、さらに攻守交代の起点にされやすい。こういった大技はむしろ禁じ手と言ってもいい。ただし、ESビーストは事故率も高くリスクも少ないので例外と言える。(安定して大ダメージで切り返せる相手にはお願いビーストも禁じ手)

さて、先に挙げた?〜?について何を言わんとしているかも説明したいが、その前に少し考えてほしいことがある。

地上にモリガンがいて、ガロンが飛び込んで来た場面を想像してみてほしい。これがハンターやスト 2 だったらモリガンが引きつけて昇竜すれば確実に落とせるので、そもそもジャンプしたガロン側のミスと言ってもいいが、セイヴァーではこの状況から後の展開が無数に分岐する。

まず、スト 2 ライクにガロンはジャンプ攻撃、モリガンはシャドウブレイドで対空することから考える。ガロンは対空を予想してジャンプ中に攻撃を出さずガードしたまま飛び込み、シャドウブレイドのガード後に反撃することも考えながらジャンプすると、モリガンは毎回昇竜を撃つことができない。

ガロンが着地まで技を出さないこと(空ジャンプ)を想定して上に強い通常技対空で落とすことも不可能ではないが、ガロンがごく当たり前にジャンプ大大チェーンで飛び込んで来たら下手すると潰されて体力6割くらいの絶対に食らってはいけないコンボを食うことになるので、通常技対空はおいそれと使えない。

一方、ガロンとしては技を出さずに着地するとちょっと危ない状況となるので何か技をガードさせたい。モリガン側はガロンの空ジャンプとジャンプ大 P の両方を想定できていた場合は、しゃがみ攻撃での対空で落とす手がある。特に大足なら相打ちでもダウンを奪えるので、ダメージでは五分でもラッシュを仕掛けるチャンスとなる。

ガロンはモリガンが空ジャンプを読んで大足を振ることをあらかじめ想定していた場合、高めの位置で空中ビーストを出して置けばちょうど空中ズラしとなり、大ダメージが奪える。モリガンはガロンが空ジャンプ読みの大足読みの空中ビーストを読んで空中ガードし、空中ダクネスを当てることもできる。

ここまで書かなかったが、モリガンは前ジャンプで空中投げを狙うのも有効である。しかし、ガロンが速めに通常技を出していると空中食らいとなり、ガロンが再度前ジャンプしてくると同じ状況の繰り返しとなる。

文章が長くてしつこいと思われたかもしれないが、上級者は特定の状況で二手先くらいの分岐をいくつも知っている(もしくは経験上無意識に身に付いている)ものである。最初のジャンプでモリガンに昇竜とガードする以外のことが予想できていないと、二手目、三手目は相手の行動を見てからしか反応できないので、高確率で食らう。もちろんガロンもジャンプ大大チェーンか空ジャンプだけしかやらなければ、何度攻撃しても通らない。

どちらかが一手先、もう一方が二手先の状況を想定して行動すれば、二手先を想定していたほうが勝つ。数手先の予想がどれだけ多くできるか、これが上級者と中級者にチャンスが回ってくる回数の差になる。

……そんなこと言ったら 10 年以上もセイヴァー続けてるヤバい人たちに経験で勝てるわけないじゃん、なんて思われるかもしれない。その場合の対策を三つほど挙げておく。

(1)ある状況で相手がいつもやってくる行動を理解せずとも覚える。

この人なんでこの技振るの? とまったく理解ができないことは多々あると思うが、相手が考えてその行動を取っているならパターン化しやすいので、そこを狙っていく。

(2)自分対相手、または自分と同じキャラを使う上手い人対相手の動画を見る。

自分との対戦動画を見返して相手の行動パターンに対して有効な手立てを考えるか、すでにできている人のやり方を参考にする。

(3)分岐の少ないキャラを選択する。

ガード不能攻撃、無敵回避技、無敵昇竜などは、使用後の状況の分岐が少ない傾向がある。

さて、なんかゴチャゴチャしてきたけど改めて上級者に通る攻め?〜?の解説をしよう。

? ガード不能がガードされないのは当たり前であるが、確定状況というのが条件である。確定状況は偶然起こるものではなく、起こるように仕向ける必要がある。

例えばザベルのジャンプ小Kは通常技対空を当てた後に確定するが、通常技対空を当てる状況にするには相手をジャンプさせていて、自分がそれを落とせる良い位置にいる必要がある。相手をジャンプさせるには、相手が地上にいたら危ないような状況にする必要がある――といったように、時間を遡ると初めは五分の状況であり、確定状況に至るまでは詰将棋をするかのように追い詰める必要がある。

これは決まったルートがあるわけではなく、最初に何かをガードさせるなどわずかに有利な状況から、次はもっと有利な状況へと進み、いつしか地対空が当たる状況へと進めるようになるのである。

ここで一言。

有利状況とは「なる」ものではなく「育てる」ものである。

少し前にガード不能攻撃は分岐が少ないと書いたが、詰将棋に例えると、歩や桂馬だけで詰ませるのに 10 手かかるところを、手駒に角がいれば 3 手で詰ませられるので解くのが簡単、という感じである。

もちろん詰ませるに至る(=ガード不能攻撃がヒットする)前に逃げられたり防がれたりしたら仕切り直しとなるが、そのときはまた何かの攻撃をガードさせるところから始めるしかない。そこで焦ってとにかくダメージが取りたいと大技を出すのは、相手に有利な状況を与えるだけである。

たとえ相手の白ゲージがいっぱいで、なんとしてでも攻撃を当てたいような状況であっても、上級者であれば単に攻撃を通すことだけでなく、相手からの切り返しの可能性を常に考えて、反撃として大ダメージを受けない行動を慎重に選んでいる。

ここでもう一言。

セイヴァーは攻めが上手くなれば中級者、攻めも守りも同時に上手くできたら上級者。

? 完全二択

一応自分なりの定義で完全二択とは、特定の状況から人間が反応できない速さ(0.2秒以内 = 12フレーム以内)で異なる防御を要する攻撃に分岐する戦法で、例えばサスカッチが起き攻めでショートダッシュ移動→着地→下小P or 再度ショートダッシュする場合が挙げられる。着地の瞬間から 12 フレーム以内に下段技、ショートダッシュ攻撃のどちらも可能なため、確実に防ぐことは人間には不可能である。

(※ 0.2秒とは目で見た情報を脳に伝達し、脳が指を動かす信号を伝達するのにかかる時間なので、ニコちゃん大王はもっと速く反応できるかもしれない)

完全二択は一回の択が50%の確率で通るとすると、50% の確率で防いでもそこで攻守逆転しなければ次も完全二択となることが多く、繰り返せば攻撃が通る確率が75%、87.5%と限りなく100%に近くなる。その後の状況次第では(大足で転ばせるなど)もう一度完全二択を仕掛けることができ、トータルでの期待値は非常に高い。

とはいえ、完全二択もガード不能と同じでいつでもどこでもできるというものではない。?で説明したように、その状況に至るには少しずつ有利状況を育てなければならない。

? 自動二択

自動二択(ガロンのジャンプすかしコマンド投げなど)は完全ではないため相手には切り返す手段(ローキック、投げ無敵のある必殺技など)が存在している。しかし、切り返す手段は第三の選択肢(ジャンプ強 P など)にとことん弱く、トータルの期待値では自動二択を仕掛ける側のほうが圧倒的に高いため、有効な戦法となる。

? 相手の裏をかいた攻撃

これは、言い換えるとハイリスクな攻撃である。単純に必殺技で該当するものを挙げると、プロヴァ=ディ=セルヴォ、+B、ドラゴンキャノン、鬼首捻りなどが分かりやすい。もちろん五分の状況から突然撃っても到底当たるものではないし、隙が大きい技の場合は反撃で大ダメージを受ける恐れがある。

どう使うかというと、目まぐるしい攻防の中で「ここでそれ使うの!?」と思わせるようなタイミングで使っていく。また、トランプの「戦争」というゲームで、最強のカードである A に対して唯一リスクを負わせられる(と思ったらこれはローカルルールで 2 とか 4

とかいろいろあってややこしい)カードの役割として使う。プロヴァ=ディ=セルヴォや鬼首捻りならば「ガードして AG 狙い」といった安定行動に対する切り札として、ドラゴンキャノンならば「ダッシュからの中下段や打撃と投げの二択」という強力な攻めに対する「どちらにも勝てる技」として使っていく。

また、隙が大きい技でも相手の虚を突けば、例え防がれても相手の判断が一瞬遅れて確定反撃を受けないことも多い。この手の技はどこまでが安全でどこからが危険なのか、ガンガン使っていかないと永久に知ることができない。死に技と思っている技は野試合で多少無理してでも使い、手札を増やしていこう。

? 速い展開で相手の思考が追いつかない攻撃

これはもうさんざん書いてしまったが、相手が二手先を考えるなら三手先まで考えられれば攻めが通る、もしくは相手の攻めを切り返せるということである。

以上で言いたいことはだいたい書いた。さらっとおさらいすると、

「攻撃と防御をある一瞬の点で考えるのではなく、二手三手先に詰ませるように考えること」

よく格ゲーは画面をよく見ろとか、画面をよく見てはいけないとか真逆のことを言われるが、正しくは「今すぐ起こるであろう状況(中段か? 下段か?)に対応するためだけに画面をよく見て(視野を狭めて)はならず、未来の状況を予測するための判断材料として今画面から得られる情報はできるだけ多く速く手に入れるために画面をよく見ろ」ということになる。

おしまい